特別参座日講話

「誰かに喜ばれると嬉しい」

このところメディアを賑わせてるビックモーターの問題があります。事故車をさらに傷つけ高い修理費を請求したり、保険会社と車の保険をめぐって癒着をしたり、店先の街路樹を除草剤をまいて枯らし撤去したりという、自分たちの利益のためならば何でもするという、利益至上主義の経営が見られます。そして、この経営をさせているのが会社のリーダーたる副社長であるとのことです。

 利益の上がらない社員や、自分の思いにかなわないものを自分の地位や権力を使って、脅したり、怖がらせたりすることで、会社をリードしてきたようです。どこかの国と似ていませんか。意のままにならないものは、力づくで動かそうとする。我利我欲に走ったため、誰からも感謝されることがなく、自分の財産を守りながら、一人で生きていかなければならなくなるのではないのでしょうか。

人間には、動物的本能と人間的本能があります。自分を守りたいという自己防衛本能、自分の子孫を残したいという種族保存本能という二つが動物的本能であり、人間が動物である以上誰にでもある本能です。食べたり、着たり、住んだり、はたまたかっこをつけたりなどというのはこの本能があるからです。しかしこの本能が強すぎると、人よりいいものを、人より良い暮らしを。さらには、人を蹴落としてまで自分をよくしたいと思うようになってしまい、もっともっとと次々とさらなるものを追い求め、心が満足することがありません。

もう一つの本能人間的本能とはどんな本能なのでしょう。それは「誰かに喜んでもらうとうれしい。」という本能です。こちらの本能も誰もが持っている本能なのですが、この本能に関しては、積み重ねをし、感謝の心が持てるようにならないとなかなか育たない本能ともいえます。

 しかし、年齢を重ねても自分のことばかり考えていると動物的本能の方が強くなってしまい、我欲が強く人間的本能が少なくなってしまう人も見られます。先月お話しした、ルフィーこと携帯詐欺や今回のビックモーターなど、この本能が弱くなってしまった人といえるのではないでしょうか。そして、今現在こうした自分だけが幸せならばという人が様々なニュースを見ていると多くなってきているようにも感じます。

「誰かに喜ばれるとうれしい」という人間的本能を強くしていくには、学びをし、心を磨いていくことが大切になってきます。

人は生かされて生きている。

すべてのつながりの中で生かされて生きている。

そのつながりは、常に変わりそのままでいることはない。

善い行いは、よい縁を招きよい結果へとつながっていく。

こうした生かされていることに感謝をしながら生きていくことこそが、よき人生善き運を招いていく。

こうしたことを学んでいくことが、人間本来が持っている慈悲心ともいえる本能を強くしていくことなのではないかと思います。

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